5. オプションモード



 CAN通信モニターCAN232Jは、以下に説明するように「Acceptance」、「Filter mask」、「Test mode」の3種類のオプションモードを使用することが出来ます。

 オプションモードはメニュー「オプション(O)」の中から選択します。他の条件によって使用できる項目だけが選択可能になっています。


5.1 Acceptance モード

 「Acceptance」はCAN232内部のCANコントロールICに対して、アクセプタンスレジスタ、アクセプタンスマスクの変更を指示します。
これらのデータは、CANコントロールICがリセットモードにあるときにのみ有効です。詳細はPHILIPS SJA1000 のデータシートを参照して下さい。

 注)デフォルトで全てのデータが通過するように設定(Code:00000000, Mask:FFFFFFFF)されています。
  CAN Closeのときに変更しておくと、CAN Openしたときに有効になります。

5.2 Filter mask

 「Filter Mask」はCAN受信データの中から、特定のIDを持つデータのみを選択して、画面表示、ファイルに保存します。メニュー「オプション(O)」を押して表示される、上記右の ダイアログでMASK ID データを入力して「OK」ボタンを押すと、そのマスクデータが下図のように画面に表示されます。Mask IDが設定されると、CAN232のFIFOから読み出したデータからこのMask IDに一致するIDだけが選択されて画面表示、保存の対象になります。特定のセンサーなどからCAN Busに出力されるデータをモニターする場合などに使用します。

 一度設定されたMask IDをクリヤーするには、再度「Filter Mask」設定ダイアログでデータを全てデリートしてから「OK」ボタンを押して下さい。メイン画面の「Mask ID」部分が空欄になります。



5.3 Test Mode

 CAN232とCAN232J通信モニターを使用して、モニターされるCANラインのノイズの影響、信頼状況を確認したり、CAN Busを使用した教育、トレーニングなどに使用する目的でTest Modeを使用することが出来ます。

 Test Modeを使用するためには、メニュー「オプション(O)」の「Test Mode」を選択します。Test Modeになると、画面の連続送信欄の上に赤字でテストモードになったことが表示されます。テストモードの解除は再度メニュー「オプション(O)」の「Test Mode」を選択します。これで画面の連続送信欄の上のテストモード表示が消えます。
 テストモードになった後で、連続送信を実施すると実際に送信される送信データは、送信データとして入力されたデータとは関係なしに、特定の29bit IDを持った00000000hからインクリメントされる連続した数値が連続送信の送信間隔、送信回数で、CAN Busに送信されます。CAN Busの任意の位置にもう一台のPCを接続してこのデータを受信して、このデータを観察すれば、途中でのデータ抜けの回数などからCAN信号の接続、通信の信頼性などを確認することが出来ます。